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zoom RSS ジョン・ノイマイヤー「人魚姫」

<<   作成日時 : 2009/03/08 18:24   >>

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先月の話になりますが、ジョン・ノイマイヤー率いる、
ハンブルクバレエ団の東京公演を観に行ってきました。

今回の来日で「椿姫」と「人魚姫」の2つの舞台がありますが
家族が頂いたチケットは後者で、日本では初演とのことで
ドキドキしながら当日を迎えました。
とはいってもモダンバレエに疎いため、同団の芸術監督であり
振付家のジョン・ノイマイヤーの名前は知ってこそあれど、
ローザンヌの審査の人のイメージが強く、同じコンテンポラリー
の有名どころといえば、ローラン・プティとモーリスベジャールの
作品映像を観たことがあるぐらいで、比較的メディアの少ない
ハンブルクバレエの舞台に関してはほとんど無知のまま
予備知識なしで足を運びました(お恥ずかしい&勿体無い)

ソワレでしかも開演直前だったためか、プログラムは完売
以下はフライヤーから抜粋しています。

●人魚姫/全ニ幕

 演出:振付・舞台装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー
 音楽:レーラ・アウエルバッハ
 指揮:サイモン・ヒューウェット
 ヴァイオリン:アントン・バラコフスキー
 テルミン:カロリーナ・エイク
 演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 一幕75分 二幕45分

 (メイン)キャスト
 詩人:イヴァン・ウルバン
 人魚姫:シルヴィア・アッツォーニ
 エドヴァート&王子:カーステン・ユング
 ヘンリエッテ&王女:エレーヌ・ブシェ
 海の魔法使い:オットー・ブベニチェク


感想を言ってしまうと「もう一度観せてくれー」に尽きるんですが(笑)、
セットは洗練されて尚且つ十分過ぎるぐらいに場面展開を物語り、
時には一点を見つめる暇がないほど舞台のあちこちでドラマが咲いては
散るような感じで「話のシンプルな人魚姫でこんなに忙しいなら椿姫は一体
観客どうなっちゃうんだ〜??」と思わずにはいられませんでした
あれ?このメロディは…あれ?この衣装はさっき…という部分もいくつかあり、
見逃した細かな演出もまだまだあったと思います。
現代音楽とそれにすり寄るテルミンの音が、悠揚な中に深海の重厚さや
劇中に見え隠れする不穏な空気を表現しているようで、始まってすぐは
なんだか暗そうだな…モダンって怖いなあと思いましたが、
人間の世界では一転、華やかで躍動を感じる曲になり
舞台同様、両世界のギャップに惹かれ、すぐにのめりこんでいきました。


人魚姫は、アンデルセンが親友への報われぬ恋心を主人公に着せて
昇華させた物語ですが、このバレエでも同じように進行していきます。
友人と花嫁の結婚式で、作者は自分の心を海へと馳せていき…
日本ツアーの公式ブログ(www.hamburgballett-blog.de/)のTOP画が
冒頭の場面になっているのでご参考までに。

詩人は終始舞台に登場して、物語を眺めつつ自分の分身である人魚姫を
見守り、諌め、時には王女とパドドゥを踊って王子をがら空きにしてくれたりと
いろんな場面で目の離せない人でした。
海の世界の表現がまた凄くて、特に人魚姫のシルヴィア・アッツォーニは
アームスを目で追うだけで、水中が波立ったように思えるほど!
黒子を3人従えて、転がったり持ち上げられたりして自由に泳ぎまわる姿が
とても活き活きとして優雅なんですー
画像
客席から見るとまるで少女!無邪気さも相まってジゼルのようでした。
しかし、彼女の水中での踊りが美しいほど、後で胸が痛むのですが…

ノイマイヤー監督がこの作品で日本の伝統芸能を取り入れている
そうなんですが、海底の人達がすり足のように歩いたり、黒子の袴姿や、
海の魔法使い(オットー・ブベニチェクが迫力があって怖い!)の
隈取のようなメイクを見て確かにと、最初よりも肩の力を抜いて
観られるようになりました
魔法使いにそそのかされて尾ひれの代わりに足を手にいれる場面も、
歌舞伎の引抜きのようなあざやかさに、目を奪われました。
同時に、人魚姫の声のない悲鳴が耳に届くようで、裸のようにも見える
頼りない姿(初めて小柄なんだなと気付いた)がとても痛々しい…
つま先を地面につけただけで痛み苦しむ様に胸を締め付けられます。
加えて陸上で閉所恐怖に苦しんだり、海底での生活を幻にみて嘆く姿は
ジゼルの狂いっぷりが可愛く思えるくらいでした…
画像


王子と王女は冒頭で式を挙げた二人と同じ。王女役のエレーヌ・ブシェは
マチネで人魚姫を踊ったそうなんですが、背丈もあり、アッツォーニとはまた
違った雰囲気で、逆バージョンも見てみたいと思いました


結局、最後まで王子の愛を得ることができなかった人魚姫です
一人の人間を選んで、痛みを伴いながらも自分への祝福を夢みて
満ち足りた環境から人の世界に飛び出したものの、愛されるはずの
相手に望まれず、元いた海の中にも戻ることが叶わない。
しかし、衣装やシューズを脱ぎ捨て、詩人と同化して天へ上る
クライマックスですが、真っ暗な舞台に広がる無数の光が
星空のようであり、空のむこうの宇宙のようでもあり…。
行き場をなくした彼女を、生命の根源である大いなる意思が導き、
迎え入れていく様は思わず息を飲むほど美しかったです。

カーテンコールがなかなかおさまらず、手から火花が出そうでした
晴れ晴れとしたダンサー達の顔は、皆役という衣装を脱ぎ捨ててて
仕事を終えたプロの姿に戻っていて、それを見た自分もつい目頭を熱く
してしまいました。
ジョン・ノイマイヤーが舞台に出ると、爆発のような拍手とブラボーの声!
現代を代表するコリオグラファーの一人が生で、目の前に!!
ダンディで思っていたより若々しくて非常に素敵でした。
カーテンコールがこんなに素晴しいなんて思わなくて、しばらく
作品自体の思い出が曖昧になるほど、印象的な時間でした

普段バレエ団の舞台を観に行くことなんてなく、
しかも巨匠のモダンということで、とても貴重な体験になりました。
次の来日はいつかわからないけれど、機会があったらまた人魚姫や
他の作品でノイマイヤーの世界を堪能したいです


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